2025年7月29日、世界的パスタブランド「バリラ」が主催する「PASTA CHAMPIONSHIP ASIA 2025 JAPAN FINAL」が開催されました。
本大会は“パスタ界のワールドカップ”とも称され、アジア各国の代表を決める登竜門的な存在として注目を集めています。
日本大会には事前選考を通過した6名の実力派イタリアンシェフが参加し、それぞれが渾身の一皿を披露しました。
厳正なる審査の結果、東京・Convivio(コンヴィーヴィオ)の澤田隼人シェフが優勝。
2025年11月にマレーシアで開催されるアジア大会に、日本代表として出場することが決まりました。
当日は、報道関係者向けに優勝パスタの試食会も行われ、筆者も現地でその味を体験しました。
実際に提供されたのは、澤田シェフの代表作「ペンネリガーテ ウイスキー蛸のラグーソース〜絡まる風土を樽に込めて〜」。
非常にアルデンテな食感のペンネは、噛むごとに明石産蛸の濃厚な旨味と香ばしい燻製香が口いっぱいに広がり、審査員だけでなく取材陣の舌までも魅了していました。
澤田シェフの一皿に込められた「風土と香り」
見事優勝を果たした澤田隼人シェフが披露したのは、「Penne Rigate with Whisky Octopus Ragù(ペンネリガーテ ウイスキー蛸のラグーソース〜絡まる風土を樽に込めて〜)」です。
明石産の蛸を主役に据え、国産ウイスキーとの組み合わせで香りと旨みを最大限に引き出しました。
さらに、燻製チップで香りを閉じ込めたウイスキー樽型の器に盛り付けるという演出も話題を呼びました。
プレゼンテーションでは「あくまで主役はパスタ。ソースは乳化させて、パスタそのものの味を楽しめる構成にしました。
また、地のものを活用するイタリアの文化も取り入れ、明石の蛸と明石のウイスキーという国産食材を使用しています」と語り、素材と技術の融合にこだわる姿勢を示しました。
審査員のアンドレアさんは「澤田シェフのレシピは、南イタリアで親しまれている蛸のラグーに日本らしいアレンジを加えており、非常に印象的でした。器から感じる燻製香まで含めて、完成度の高い一皿でした」と高く評価しました。
澤田 隼人(さわだ はやと)シェフ プロフィール
2017年にConvivio に新卒入社、イタリアの素材の味を引き出すレシピを高く評価され、2020年にスーシェフに就任。
2022年にはイタリア郷土料理の新店舗YUKA伊のオープニングシェフに抜擢されました。
その後、再びConvivioスーシェフに就任、一つひとつにストーリー性を持たせたオリジナルメニュー開発を行っています。
2025年11月にマレーシアで開催されるアジア大会に日本代表として出場する予定です。
世界の檜舞台でのさらなる活躍が期待されます。